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『見る・聞く・さわる』を記録!子供の観察力と学びに向かう力を育む遊び:保育での実践アイデアとねらい

Tags: 観察, 記録, 探求心, 表現力, 学びに向かう力, 保育実践

子供たちは日々の生活の中で、様々な発見をしています。「見て!」「聞いて!」「これ、さわってみて!」と、五感をフルに使って周りの世界を探求しています。これらの瞬間的な発見を、形として残す「記録する」という遊びは、子供たちの探求をさらに深め、学びに向かう力を育む上で非常に有効な手段となります。

記録する遊びは、単に情報を書き写すことだけではありません。子供が五感で捉えた情報の中から「おもしろい」「不思議だな」と感じたことを選び取り、どのように表現するかを考え、形にするプロセスそのものが学びとなります。これにより、観察力や思考力が育まれ、自分の発見を表現する喜びを知ることで自己肯定感にも繋がります。また、後から自分の記録を振り返ることで、学びを定着させ、新たな発見への意欲を高めることができます。

記録する遊びの概要と目的

記録する遊びとは、子供が身の回りの出来事や発見、感じたことなどを、様々な方法でアウトプットし、残していく活動です。絵を描く、写真を撮る、言葉で話す(保育者が代筆)、録音する、粘土で形にするなど、記録の媒体は多岐にわたります。

この遊びの目的は、子供たちの以下の力を育むことにあります。

具体的な遊びのアイデア

限られた環境や予算の中でも工夫次第で実践できる、記録する遊びのアイデアを紹介します。

1. 自然発見ノート

2. 「おもしろい音」コレクション

3. 「作ったもの」ギャラリー&図鑑

記録する遊びのねらいと期待される効果まとめ

これらの記録する遊びは、子供たちの「好き」という気持ちを入り口に、多角的な学びを引き出します。特定のテーマに沿って記録を続けることで、対象への関心は深まり、継続的に探求する力が育まれます。また、自分の発見や考えを様々な方法で表現することで、自己肯定感が高まり、学びへの意欲へと繋がります。

実践上のポイントと工夫

保護者への説明に役立つ視点

家庭でも子供の記録活動をサポートしてもらえるよう、保護者にこの遊びの意義を伝えることが有効です。「子供は素晴らしい発見をたくさんしています。その発見を絵や言葉で記録することで、考える力や表現する力が育まれます。お家でも、今日の楽しかったことや、何か見つけたものを絵に描いてみようか、と声をかけてみてください。完成したら『すごいね!これは何?』と一緒に見て話を聞いてあげてください。子供は自分の『好き』を認められることで、もっと学びたい気持ちになります。」などと、具体的にどのような力が育つか、家庭でどう関われるかを伝えると良いでしょう。

まとめ

「記録する」という遊びは、子供たちが五感で捉えた世界を、自分のフィルターを通してアウトプットする創造的な活動です。この活動を通して、子供たちは観察力、思考力、表現力といった多角的な力を育み、自ら学びに向かう姿勢を身につけていきます。保育の日常の中に「記録する」という視点を取り入れ、子供たちの「すごい発見!」を形として残すサポートをすることで、一人ひとりの「好き」を刺激し、主体的な学びへと繋げていくことができるでしょう。